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不倫慰謝料の差し押さえ!失敗しないための具体的なステップを徹底解説

不倫をした相手方が慰謝料の支払いに応じず、悔しい思いをしていませんか。

「約束したはずなのに」「もう連絡もつかない」そんな状況では、最終手段として相手の財産を差し押さえることはできないのだろうかと考えるのは当然のことです。

この記事では、法律の専門用語をできるだけ使わず、不倫慰謝料の差し押さえは可能なのか、そして失敗しないためには具体的にどういったステップを踏めば良いのかを、豊富な事例を交えながら分かりやすく解説します。

この記事を最後まで読めば、慰謝料回収に向けた次の一歩を具体的に踏み出せるようになります。

目次

不倫慰謝料の差し押さえは最終手段として確かに可能です

まず、皆さんが一番知りたい結論からお伝えします。

不倫慰謝料の支払いが滞った場合、相手の財産を差し押さえることは法的に可能です。

これは、あなたが受けた精神的苦痛に対する正当な権利を実現するための、法律で認められた強力な手段となります。

ただし、誰でも感情的に「差し押さえてやる!」とすぐに実行できるわけではなく、いくつかの重要な条件と正しい手順を踏む必要があります。

慰謝料支払いの約束を守らない相手には法的措置が取れます

不倫の慰謝料について当事者間で合意書を交わしたり、裁判で支払いが命じられたりしたにもかかわらず、相手が誠実に対応しないケースは少なくありません。

このような場合、法律は被害者を守るために「強制執行」という制度を設けています。

この強制執行の代表的な手続きが「差し押さえ」です。

約束を破った相手に対して、国が法律に基づいて財産を強制的に取り立て、被害者であるあなたに支払いを実現させる手続きなので、安心して進めることができます。

差し押さえとは国が強制的に財産を取り立てる手続きのことです

「差し押さえ」と聞くと、ドラマや映画の影響で少し怖いイメージを持つかもしれません。

しかし、これは法的に認められたあなたの正当な権利の行使です。

具体的には、裁判所を通じて相手の財産(例えば給料や預金など)の処分を禁止し、そこからあなたの慰謝料分を強制的に回収する手続きを指します。

例えば、相手の給与を差し押さえる場合、裁判所から相手の勤務先へ直接命令が届き、給料の一部があなたに直接支払われることになります。

このように、相手の意思に関係なく慰謝料を回収できるのが最大の特徴です。

ただし差し押さえを実行するには公的な証明書が絶対に必要です

不倫慰謝料の差し押さえが可能である一方、それを実行するには「債務名義(さいむめいぎ)」と呼ばれる公的な書類が絶対に不可欠です。

これは、「相手に慰謝料を請求できる権利があることを国が公的に証明した書類」のことです。

残念ながら、口約束や、当事者間だけで作成した念書や合意書だけでは、差し押さえはできません。

法的な手続きを踏んでこの債務名義を取得することが、差し押さえという具体的なステップに進むための、最初の最も重要な関門となります。

コラム:債務名義にはどんな種類があるの?

不倫慰謝料の差し押さえで主に使われる債務名義には、以下のものがあります。これらはすべて、法的な強制力を持つ公的な文書です。

  • 強制執行認諾文言付公正証書:公証役場で作成する、最もスムーズに差し押さえに移行できる書類。
  • 判決書(確定判決):裁判で勝訴したときに裁判所から出される書類。
  • 和解調書:裁判上の話し合い(和解)が成立したときに作成される書類。
  • 調停調書:家庭裁判所の調停で合意したときに作成される書類。

不倫慰謝料の差し押さえに失敗しないための絶対的な前提条件

差し押さえを成功させるためには、その前段階の準備が結果の9割を決めると言っても過言ではありません。

この準備を怠ると、いざ差し押さえをしようとしても手続きを進められず、失敗に終わってしまいます。

ここでは、不倫慰謝料の差し押さえを具体的に進めるために絶対に必要となる「債務名義」とは何か、そしてそれをどうやって手に入れるのかについて、詳しく解説していきます。

債務名義と呼ばれる慰謝料請求権を証明する公的書類の準備

不倫慰謝料の差し押さえで失敗しないためには、前述の「債務名義」が必須です。

これらの書類は、裁判所が「この慰謝料請求は正当なものです」とお墨付きを与えた証明書であり、差し押さえ手続きの際に裁判所へ提出しなければなりません。

逆に言えば、これさえあれば、相手がいくら支払いを拒否しても、法的な手続きを粛々と進めることが可能になります。

公正証書を作成していればスムーズな差し押さえが可能です

もし、これから不倫相手と慰謝料の支払いについて話し合う段階であれば、合意内容は必ず「強制執行認諾文言付公正証書」として作成しておくことを強くお勧めします。

これは、公証人という法律の専門家が公証役場で作成する公的な文書です。

この公正証書の中に「もし支払いを怠った場合は、直ちに強制執行(差し押さえ)を受けても異議はありません」という一文(強制執行認諾文言)を入れてもらうことで、裁判を起こさなくても、すぐに差し押さえの申し立てが可能となります。

時間と費用を大幅に節約できる、最も賢く、失敗しないための重要なポイントです。

債務名義がない場合はまず裁判や調停を起こす必要があります

もし、慰謝料に関する合意を口約束で済ませていたり、当事者間だけの合意書しかなかったりする場合には、まず債務名義を取得するための手続きから始めなければなりません。

慰謝料請求の相手方が不貞行為の事実や慰謝料の支払いを拒否している場合は、地方裁判所に「訴訟(裁判)」を起こすことになります。

一方で、不貞の事実は認めており、金額や支払い方法について話し合いで解決できそうな場合は、家庭裁判所に「調停」を申し立てる方法もあります。

調停で話がまとまれば「調停調書」が、裁判で勝訴すれば「判決書」が手に入り、これらが差し押さえを実行するための強力な武器となります。

不倫慰謝料の差し押さえを失敗せずに行う具体的なステップ

債務名義という強力な武器を手に入れたら、いよいよ差し押さえの具体的なステップに進みます。

手続きは自分で行うことも可能ですが、書類の準備などが少し複雑に感じるかもしれません。

ここでは、実際に差し押さえが完了するまでの流れを、一つ一つのステップに分けて具体的に解説します。この流れを理解することで、安心して手続きを進めることができるでしょう。

  1. ステップ1:相手の財産を特定する(最重要)
  2. ステップ2:必要書類を準備して裁判所に申し立てを行う
  3. ステップ3:裁判所から債権差押命令が発令される
  4. ステップ4:差し押さえた財産から慰謝料を回収する

ステップ1:相手の財産を特定する情報収集の重要性

差し押さえを成功させるために、最も重要なステップが「相手の財産の特定」です。

なぜなら、裁判所は「Aさんの財産はどこにありますか?」と親切に調べてはくれないからです。

何を差し押さえるのかは、申し立てる側(あなた)が具体的に指定する必要があります。

例えば、給与を差し押さえるなら勤務先の「会社名」と「本社の所在地」、預金を差し押さえるなら「銀行名」と「支店名」を特定しなければなりません。

この情報がなければ、申し立て自体ができないため、事前に弁護士などに相談し、財産開示手続などの法的な調査方法を検討することも有効です。

ステップ2:必要書類を準備して裁判所に申し立てを行う

差し押さえる財産を特定できたら、次に相手の住所地を管轄する地方裁判所へ「債権差押命令申立」を行います。

この際、債務名義(判決書や公正証書など)の正本や、申立書のほか、いくつかの添付書類が必要になります。

申立書には、誰の(債務者)、どの財産を(第三債務者)、いくら差し押さえるのか(請求債権)を正確に記載する必要があります。

書類に不備があると手続きが滞り、失敗の原因となるため、裁判所のウェブサイトで書式を確認したり、司法書士や弁護士に作成を依頼したりするのが確実な方法です。

ステップ3:裁判所から債権差押命令が発令される

提出された書類に問題がなければ、裁判所は申立内容を審査し、「債権差押命令」を発令します。

この命令書は、相手方(不倫相手)と、差し押さえの対象となる財産を管理する第三者(例えば、給与なら勤務先、預金なら銀行)に送付されます。

この命令が相手の勤務先や銀行に届いた時点で、法的な効力が発生します。

第三者はあなたに支払うべき部分を相手本人に支払うことが法的に禁止され、あなたの慰謝料が法的に確保された状態になります。

ステップ4:差し押さえた財産から慰謝料を回収する

債権差押命令が発令された後、実際に慰謝料を回収するステップに移ります。

給与の差し押さえであれば、勤務先から直接あなたの指定口座に、慰謝料の支払いが完了するまで毎月振り込まれます。

預金の差し押さえであれば、命令が銀行に届いてから原則として1週間が経過した後に、あなたが直接銀行に連絡して取り立てるか、送金を依頼することになります。

これで、一連の差し押さえ手続きは完了し、あなたは支払われるべき慰謝料を手にすることができるのです。

コラム:差し押さえが相手にバレるとどうなる?

差し押さえは相手に秘密で行うことはできません。裁判所からの命令は必ず相手本人にも送付されます。

特に給与を差し押さえる場合、相手の勤務先の経理担当者などに差し押さえの事実が知られることになります。これにより、相手は社会的・心理的なプレッシャーを感じ、滞納していた慰謝料の支払いに応じるきっかけになることも少なくありません。

不倫慰謝料で差し押さえが可能な代表的な財産の種類

差し押さえと一言で言っても、相手のどんな財産でも対象にできるわけではありません。

相手の生活を維持するために最低限必要な財産などは、法律で差し押さえが禁止されています。

ここでは、不倫慰謝料の回収で差し押さえの対象となることが多く、かつ効果的な財産の種類を具体的に紹介します。

最も効果的な差し押さえ対象である相手の給与や賞与

相手が会社員や公務員の場合、給与の差し押さえは非常に有効で確実な手段です。

給与は毎月安定して発生するため、慰謝料全額を回収できるまで継続的に差し押さえることが可能です。

法律上、差し押さえができるのは原則として手取り額の4分の1までと決められています。(ただし、相手の手取り月額が44万円を超える場合は、33万円を超えた全額を差し押さえ可能です)

例えば、相手の手取り月収が32万円であれば、その4分の1である8万円を毎月回収できます。

相手が保有する銀行などの金融機関の預貯金

相手の預金口座を差し押さえることも、慰謝料回収の一般的な方法です。

銀行名と支店名が特定できれば、その支店にある相手名義の普通預金や定期預金などを差し押さえることができます。

ただし、差し押さえの効力は、命令が銀行に届いた時点での口座残高に対してのみ及びます。

そのため、タイミングによっては残高が少なく、十分な回収ができない可能性もあります。

給与振込口座など、お金の出入りが活発な口座を狙うのが成功のコツです。

生命保険の解約返戻金も差し押さえの対象財産です

意外と知られていませんが、相手が生命保険に加入している場合、その「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」も差し押さえの対象となります。

これは、保険を今解約したと仮定した場合に戻ってくるお金のことで、貯蓄性の高い保険に長期間加入しているほど、高額になる可能性があります。

保険会社と保険の種類などを特定する必要がありますが、給与や預金からの回収が見込めない場合の有力な選択肢の一つです。

コラム:こんな財産は差し押さえできない!

相手の生活を守るため、法律で差し押さえが禁止されている財産(差押禁止財産)があります。これらを差し押さえようとしても、申し立ては認められません。

  • 給料の手取り額の4分の3
  • 生活に欠くことのできない衣服、寝具、家具、台所用具など
  • 1ヶ月間の生活に必要な食料及び燃料
  • 国民年金や厚生年金などの公的年金の受給権
  • 生活保護の受給権

不倫慰謝料の差し押さえが失敗に終わる典型的なパターン

万全の準備をして差し押さえを申し立てても、残念ながら失敗に終わってしまうケースもあります。

失敗には必ず原因があります。

ここでは、不倫慰謝料の差し押さえでよくある失敗パターンを具体的に紹介します。これらの事例を知ることで、同じ轍を踏むことを避け、成功の確率を高めることができます。

相手の財産を具体的に特定できずに申し立てができない失敗

差し押さえで最も多い失敗の原因は、差し押さえるべき相手の財産を具体的に特定できないことです。

前述の通り、裁判所は財産調査をしてくれません。

「相手は都内のどこかの銀行に預金があるはずだ」といった曖昧な情報だけでは申し立ては受理されないのです。

勤務先が不明、取引銀行の支店名まで分からない、といった状況では、差し押さえという具体的なステップに進むこと自体が不可能になってしまいます。

差し押さえた預金口座の残高がゼロで回収できない失敗

相手の銀行口座の特定に成功し、差し押さえ命令も無事に出たとしても、その口座にお金がなければ1円も回収することはできません。

差し押さえの申し立てを察知した相手が、事前に預金を引き出してしまうケースも考えられます。

また、もともと給与振込口座とは別の、残高がほとんどない休眠口座を差し押さえてしまうという失敗もよくあります。

相手が退職や転職をして給与の差し押さえが空振りする失敗

給与の差し押さえを申し立てたものの、その命令が会社に届く前に相手が会社を辞めてしまうというのも、よくある失敗パターンです。

債権差押命令は、あくまで申立時に在籍している勤務先に対してのみ有効です。

相手が退職してしまえば、その会社からの給与は発生しなくなるため、差し押さえは空振りに終わります。

転職先が判明すれば、再度新しい勤務先に対して申し立てを行う必要がありますが、その調査にはまた手間と時間がかかってしまいます。

不倫慰謝料の差し押さえにかかる費用と期間の目安

差し押さえという具体的なステップを検討する上で、どれくらいの費用と時間が必要になるのかは、非常に気になるところだと思います。

事前に目安を知っておくことで、計画的に手続きを進めることができます。

ここでは、差し押さえの申し立てに必要となる実費と、専門家に依頼した場合の費用、そして申し立てから回収までにかかる期間について解説します。

裁判所に支払う手数料や郵券などの実費について

自分で差し押さえの申し立てを行う場合、まず裁判所に納める「収入印紙代」が必要です。

これは、差し押さえる慰謝料の金額に関わらず、申立書1通につき4,000円です。

また、裁判所が関係者(相手方や銀行・会社など)に書類を送付するための「郵便切手代(予納郵券)」が数千円程度かかります。

これは、書類を送る相手の数によって変動しますが、合計しても実費自体は1万円程度で収まることがほとんどです。

弁護士に差し押さえ手続きを依頼した場合の費用相場

差し押さえの手続きを弁護士に依頼する場合、実費に加えて弁護士費用が発生します。

法律事務所によって料金体系は異なりますが、一般的には着手金」として数万円から10万円程度、そして実際に回収できた金額の10%から20%程度を「成功報酬として支払うケースが多いです。

例えば、債務整理や慰謝料請求で有名な弁護士法人・響のような法律事務所では、初回相談を無料で行っている場合も多いです。

まずは複数の事務所に相談し、費用体系を比較検討してみることをお勧めします。

申し立てから実際に慰謝料が振り込まれるまでの期間

裁判所に申し立てをしてから、裁判所が債権差押命令を発令するまでにかかる期間は、裁判所の混雑具合にもよりますが、おおむね1週間から2週間程度です。

その後、命令が相手の勤務先や銀行に送達され、実際にあなたの口座にお金が振り込まれるまでには、さらに数週間から1ヶ月程度かかります。

したがって、申し立てから回収完了までの全期間としては、合計で1ヶ月から2ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。

差し押さえが難しい場合の他の慰謝料回収方法

相手が自営業で収入が不安定だったり、財産を巧みに隠してしまったりしていて、差し押さえによる回収が難しいケースも残念ながら存在します。

しかし、だからといって諦める必要はありません。

差し押さえが困難な場合に検討すべき、具体的な次の一手についてご紹介します。

裁判所の財産開示手続を利用して相手の財産を調査する

相手の財産がどこにあるか分からず差し押さえができない場合、「財産開示手続」という法的な手続きを利用することが可能です。

これは、裁判所に申し立てて相手本人を裁判所に呼び出し、自身の財産状況について宣誓の上で陳述させる制度です。

相手が正当な理由なく出頭しなかったり、嘘の陳述をしたりした場合には、刑事罰(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)が科される可能性があるため、財産を明らかにするよう強く促す効果が期待できます。

この手続きで判明した財産に対して、改めて差し押さえを申し立てます。

相手の不動産や自動車などを差し押さえることも可能です

給与や預金といった「債権」の差し押さえが難しい場合でも、相手が自宅などの「不動産」や「自動車」を所有していれば、それらを差し押さえることもできます。

これを「不動産執行」や「自動車執行」といい、最終的に競売にかけて、その売却代金から慰謝料を回収する方法です。

ただし、不動産の差し押さえは手続きが複雑で費用も高額になりがちで、住宅ローンが残っている場合は回収が難しいなど、専門的な判断が必要です。

弁護士とよく相談した上で検討すべき最終手段の一つと言えるでしょう。

分割払いの交渉や新たな合意書の作成を試みる

法的な強制手段が難しい場合、一度立ち返って相手と再度交渉のテーブルにつくというのも一つの手です。

相手も差し押さえのリスクを感じているはずなので、以前よりは真剣に話し合いに応じる可能性があります。

例えば、一括での支払いが難しいのであれば、実現可能な範囲での分割払いを提案し、その内容で新たに公正証書を作成するといった方法です。

これにより、将来的な支払いを確実なものにできる可能性があります。

不倫慰謝料の差し押さえは弁護士に相談するのが失敗しないための近道

これまで見てきたように、不倫慰謝料の差し押さえには、法的な知識や煩雑な手続きが伴います。

自分一人で進めることも不可能ではありませんが、失敗のリスクを限りなくゼロに近づけ、あなたの精神的な負担を軽くするためには、法律の専門家である弁護士に相談・依頼することが最も確実で賢明な方法です。

相手の財産調査を法的に進めてくれるという大きな利点

弁護士に依頼する最大のメリットの一つが、素人では難しい相手の財産調査を代行してくれる点です。

弁護士は、「弁護士会照会」という特別な権限を使って、銀行や携帯電話会社などに照会し、相手の預金口座の有無や勤務先、さらには生命保険の契約情報などを合法的に調査することが可能です。

これにより、差し押さえの成功率を飛躍的に高めることができます。

複雑な裁判所の手続きをすべて任せられる安心感

債権差押命令の申立書の作成や裁判所とのやり取りは、非常に専門的で手間がかかる作業です。

書類に少しでも不備があれば、手続きは遅延し、その間に相手に財産を処分されてしまうリスクもあります。

弁護士に依頼すれば、これらの煩雑な手続きをすべて正確かつ迅速に行ってくれるため、あなたは精神的なストレスから解放され、安心して結果を待つことができます。

相手方との直接のやり取りをせずに済む精神的負担の軽減

慰謝料のトラブルでは、相手方と直接交渉したり連絡を取ったりすること自体が、大きな精神的苦痛を伴います。

弁護士があなたの代理人となることで、あなたは相手と一切顔を合わせる必要がなくなります。

すべての連絡や交渉は弁護士が窓口となって行ってくれるため、感情的な対立を避け、冷静に手続きを進めることが可能です。

これは、あなたが受けた心の傷を癒し、新しい生活をスタートさせる上でも非常に大きなメリットと言えるでしょう。

コラム:弁護士費用の支払いが心配なときは?

弁護士費用がネックで相談をためらってしまう方もいるかもしれません。そんなときは、経済的な余裕がない方でも法律相談が受けられる「法テラス(日本司法支援センター)」の利用を検討してみましょう。

収入などの条件はありますが、無料の法律相談や、弁護士・司法書士費用の立替え制度を利用できる場合があります。まずはウェブサイトで利用条件を確認してみることをお勧めします。

不倫慰謝料の差し押さえを検討する際の重要な注意点

不倫慰謝料の差し押さえは強力な手段ですが、実行する前に知っておくべきいくつかの注意点があります。

これらのポイントを理解しておくことで、後々のトラブルを防ぎ、よりスムーズに慰謝料を回収することができます。

差し押さえには時効があることを理解しておく必要があります

慰謝料を請求する権利には「時効」というタイムリミットがあることに注意が必要です。

債務名義(判決書や公正証書など)を取得した場合、その権利の時効は原則として10年となります。

この期間を過ぎてしまうと、たとえ債務名義を持っていても差し押さえができなくなってしまいます。

慰謝料の支払いが滞ったら、時効を中断させる手続きも視野に入れつつ、早めに行動を起こすことが肝心です。

相手が自己破産をした場合は差し押さえができなくなる可能性

もし相手が裁判所に自己破産を申し立て、それが認められてしまうと、原則として慰謝料の支払い義務は免除されてしまいます。

そうなると、残念ながら差し押さえをすることはできなくなります。

ただし、不倫慰謝料の中でも、相手があなたの家庭を害することを知りながら行った悪質な不貞行為に対する慰謝料は、自己破産をしても免除されない「非免責債権」にあたる可能性があります。

相手に自己破産の兆候が見られる場合は、一刻も早く弁護士に相談し、対策を講じる必要があります。

差し押さえが相手の生活を追い詰める可能性も考慮する

給与の差し押さえなどを行うと、相手は経済的に困窮し、また勤務先での立場も悪くなる可能性があります。

もちろん、それは慰謝料を支払わない相手自身の責任ではあります。

しかし、過度に追い詰めた結果、相手が職を失ったり、精神的に病んでしまったりして、かえって慰謝料の全額回収が遠のいてしまうリスクもゼロではありません。

法的な権利を行使しつつも、どこかで現実的な落としどころを探るという視点も、時には必要になるかもしれません。

まとめ

今回は、不倫慰謝料の差し押さえは可能なのか、そして失敗しないための具体的なステップについて詳しく解説してきました。

最後に、この記事の重要なポイントを改めて振り返り、あなたが次にとるべき行動を整理します。

不倫慰謝料の差し押さえは可能だが正しい手順を踏むことが重要

結論として、不倫慰謝料の差し押さえは法的に認められたあなたの正当な権利であり、泣き寝入りしないための非常に有効な手段です。

しかし、そのためには「債務名義」の取得という前提条件を満たし、相手の財産を特定した上で、裁判所に正しい手順で申し立てを行う必要があります。

このステップを一つでも間違えると失敗に繋がるため、慎重に進めることが何よりも大切です。

失敗しないためには財産特定と専門家の協力が鍵となる

差し押さえを成功させるための最も重要な鍵は、「差し押さえる財産の具体的な特定」です。

そして、その調査や複雑な法的手続きを確実に行うためには、弁護士という法律の専門家の協力が不可欠と言えるでしょう。

費用はかかりますが、自力で進めて失敗するリスクや精神的な負担を考えれば、弁護士に依頼するメリットは計り知れません。

一人で悩まずまずは無料相談などを活用して第一歩を踏み出そう

慰謝料が支払われず、どうすればよいか分からずに一人で悩んでいるのであれば、まずは行動を起こすことが大切です。

現在では、多くの法律事務所が初回無料の法律相談を実施しています。

例えば、お近くの弁護士を探せる「日本弁護士連合会(日弁連)」のサイトや、前述の「法テラス」などを活用して、相談先を見つけることができます。

専門家に話を聞いてもらうだけでも、状況は大きく変わります。

この記事を参考に、ぜひ具体的な第一歩を踏み出してください。

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